姉歯設計が悪いのか?

設計や、建築のことは良くわからないが、
姉歯設計が諸悪の根源のような論調が見受けられ
ますが(気のせいかな?)、それっておかど違いな気がします。

建築物って、概観はきれいにできていても、
素人には(できちゃったら玄人にも)本当にちゃんとできてるかわからな
いわけで、
その持ち主の好き勝手に立てられても、
弱い地震とかで勝手に倒れられても、周辺の人はたまんないし、
もし、それが売られるにしても、いくら民事不介入といえども、
建築に疎い一般消費者に勝手に調べろってのも酷だし、
第一、所有者が一般消費者だったら、危険だから撤去しろ
っていってもそんな資金力ないことのほうが多いだろうから、
公権力が介入して、安全な建築物作らせようよってことで、
建築基準ってものがあるんですよね?
まとめれば、公益のためと、消費者保護と、強制執行の実効性の確保のためと
でもいうのかな?
で、普通にどう公権力が介入すれば、安全な建築物ができるかと
素人がかんがえると、
1.設計段階でその基準に適合しているか、
で、基準に適合している設計であれば、
次に、
2.施工段階でその設計どおりに作られているか
を公権力をもって確認すればいいのではないかと思うわけですよ。
そうすると今回の事件は
姉歯設計(だっけ?)が設計段階で建築基準を満たさない設計をして、

それを”基準を満たしてます”っていいはってただけですよね?
とすると、1.の設計段階で基準を満たしているか否かという判断は、
設計が基準を満たしているかどうかをちゃんと計算するというわけではなく、
満たしていると主張しているか、否かの判断しかしていないというわけですか?
もしくは、設計事務所が設計を公権力に対して保障するという形なのかな?
よく実務はわからないのでなんともいえませんが、
上記のどちらかが実務なのではないかと思われます。
それって、制度的に不備がありすぎませんか?
今から建築しようとするやつが、わざわざ、うちの設計は建築基準を
満たしてないですって書いて持ってきますか?
さすがにこういう風にするから、満たしてますっていってきますよね。
そうすると、それが本当に満たしているかどうかは
公権力が監査する責があるのは自明な気がしますが。
また、設計事務所が基準に満たしているか判断する責を負うとすると、
施工主と設計事務所が取引関係にあるのは無茶ですよね。
そりゃ、お金くれる方に従わざるを得ないでしょ。公権力から設計事務所
依頼されるかたちでないと成り立たないですよね。それでも、
国から金もらって、施工主にバックマージン要求するようなことも当然に
考えられますが。
姉歯設計が、国からも報酬をもらいながら、施工主にバックマージンを要求
してた、のような感じであれば、彼が矢面に立ってしかるべきだと思いますが、
そんな金の流れではないようですよね。
とすると、やはり、姉歯設計が責められているのはまったく納得が
いかなくって、一番悪いやつは建築許可をだした行政官だと思うんですがいかがでしょう?
もしくは、システム自体が上記のようになっていないのであれば、手続きを作った、立法府の責任かと。
どう転んでも、一番責任が重いのは行政官か、立法府であって、姉歯設計ではないでしょう。
別に姉歯設計の知り合いでもないし、肩を持つ気もないですが、
本当に責任をとらなければならない者が何も責められていないのは
非常に疑問なので書いてみました。
私の判断では、誰よりも悪いのは行政官か、立法府ですね。
税金から金もらってて、仕事してないわけですから。
もう一つ責めるとすれば、その責任を声高にとわない報道かも。
容疑者の実名報道したいなんて、くだらなく、かつ人権侵害の危険性の高いこと
をいってないで、やることやってほしいな。